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ごあいさつ

ごあいさつ

謹啓 

今年はPOPAIが2014年に第1回を迎えてから第10回記念大会を迎えます。

昨年はPOPAI innovationと従来のPOPAI physiology and imaging courseを2回に分けて開催しましたが、今回は2日間に集約して開催したいと考えています。

心血管イベントの発生にはPhysiologyとimagingの情報を相補的にとりいれることにより、より詳細なリスク評価が可能となることが、益々、明らかになってきています。

ステント治療は、冠血管抵抗の低下をもたらし、運動負荷時の冠血流の増加を生じることにより、運動耐用能を改善することが実証されていますが、心血管インターベンションがプラークの安定化をもたらし心血管イベントを抑制する効果(プラークシーリング効果)は残念ながら実証できていません。またステントを留置することにより生じる“stent病“と称される負の側面が存在することも報告されています。しかし一方で強力な薬物療法がプラークの安定化や退縮をもたらすことも報告されています。冠動脈イメージングは将来の心事故の増加が懸念されるリスクの高いプラーク検出に有効です。CT、IVUS、OCT、OFDIなどのプラークイメージングは将来のイベントリスクの判定に有用であり、強力な薬物療法入の必要性を示してくれるものと思われます。現在、冠内圧の計測によりカテーテル検査室内において虚血の原因となりえるかどうかを正確に判定し、更にIVUSやOCTを用いて最適な血行再建(stent optimization)をすることが、患者様の予後改善につながる最も有効な方法であることが多くのエビデンスとして示されてきています。

ImagingにおいてもCT、血管造影,IVUS、OCTなどから得られる内腔情報から流体力学を駆使してFFRに匹敵する情報を模索する方向性が検討されるとともに、Physiologyで評価される病変圧較差がプラークのvulnerabilityと強く関連していることが示され、Physiologyとimagingは異なった情報でありながら、冠動脈イベント発生という点においてその2つの情報は収束していく様相を見せています。2018年12月よりFFRCTが、2020年12月よりFFRangio、2023年12月よりQFRが保険診療として認可され、すでに多くの施設で利用されています。一方で2024年のTCTにおいてはFAVORⅢEuropeにてQFR guide decision making はFFR guide PCI に対して非劣勢を示すことができませんでした。このようにまだまだ討論すべきことは尽きません。

 成熟したと考えられるPCIの分野において、複雑病変治療の成功は患者様の予後改善に大変重要です。この命題を遂行するにはカテーテル技術習得だけでは十分ではなく、PhysiologyとImagingの理解は必要不可欠といっても過言ではありません。

POPAI2025に2日間参加していただければ、physiologyとimagingに関しての最新情報を習得することができます。心血管イベント予測に関して皆で考えることができる貴重な場所となることをお約束いたします。岐阜ハートセンターのスタッフ一同、皆様の御参加を心よりお待ち申し上げます。

松尾先生写真.png
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